伊藤塾の公開模擬試験 第1回、成績表が返ってきました。採点されて返ってきた点は、これが初めてです。
結論から書きます。
- 総得点 106点 / 300。2,001人中 1,848位、偏差値35.2、D判定
- 3つの合格基準を、すべて下回りました
- 記述式は自己採点より低く返ってきました
- ただし多肢選択の憲法は2,001人中1位でした
総合成績
| 区分 | 得点 | 配点 | 平均 | 順位 | 偏差値 | 判定 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 総得点 | 106 | 300 | 160.2 | 1,848 | 35.2 | D |
| 法令等 | 86 | 244 | 130.6 | 1,797 | 36.3 | D |
| 5肢択一 | 60 | 160 | 90.7 | 1,793 | 36.2 | D |
| 多肢選択 | 14 | 24 | 14.6 | 968 | 48.6 | B |
| 記述式 | 12 | 60 | 25.3 | 1,694 | 39.0 | D |
| 基礎知識 | 20 | 56 | 29.6 | 1,670 | 38.5 | C |
3つの基準を、すべて下回った
| 総合 | 106 / 180以上 −74点 |
|---|---|
| 法令等 | 86 / 122以上 −36点 |
| 基礎知識 | 20 / 24以上 −4点 |
どれか1つでも割れば不合格です。3つとも割っています。
基礎知識の−4点は、1問(4点)で届く距離です。他の2つとは性質が違います。
自己採点が甘かった
これが今回いちばん大きな発見でした。
| 記述式の点 | |
|---|---|
| 自己採点(東京法経 第1回) | 28点 / 60 |
| 自己採点(LEC ファイナル) | 17点 / 60 |
| 返却(伊藤塾 第1回) | 12点 / 60 |
内訳は行政法 0点、民法 12点でした。行政法の記述は、書いたのに0点です。
自分でつけた点と、採点者がつけた点は別物でした。
自己採点は、自分に甘くなります。キーワードが入っていれば通ると思っていたところが、通っていません。
強いところは本物だった
| 科目 | 得点 | 順位 | 偏差値 | 判定 |
|---|---|---|---|---|
| 多肢選択 憲法 | 8 / 8(4問正解) | 1位 / 2,001人 | 57.1 | A |
| 憲法(5肢択一) | 16 / 20(5問中4問) | 368位 | 54.7 | A |
多肢の憲法は満点で1位でした。LECの模試で多肢16点だったのも、まぐれではなかったということです(多肢の最高は2024年大原 第1回の22点)。
憲法は択一でも368位。伸びる余地より、崩さないほうが大事な科目になりました。
いちばん効くのは「取りこぼし」
成績表には、正答率70%以上なのに落とした問題に印が付きます。5問ありました。
| 問 | 科目 | 出題項目 | 正答率 | 配点 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 基礎法学 | 個人と国家 | 90.0% | 4点 |
| 16 | 行政法 | 審査請求と取消訴訟の比較 | 72.4% | 4点 |
| 20 | 行政法 | 国家賠償に関する判例 | 70.4% | 4点 |
| 43エ | 行政法(多肢) | 行政裁量 | 85.3% | 2点 |
| 60 | 基礎知識 | 文章理解 短文挿入 | 81.2% | 4点 |
5問・合計18点。全部「みんなが取れている問題」です。
知らない論点ではありません。ここを拾うだけで 106点 → 124点になり、基礎知識の足切りも超えます(問60が入るため)。
ただし問60(文章理解)は、拾う対象から外します。文章理解3問は問題文を読まずに「4」で提出しているためです。この回は正答が4・4・2だったので、2問が当たって8点になりました。
したがって意識して拾えるのは残り4問・14点です。106→120点になりますが、基礎知識の足切りは超えません。
点ではなく問題数で見ると、択一は40問中15問だった
成績表には出題数と正解数も載っています。点より、こちらのほうが距離が分かります。
| 形式 | 科目 | 出題数 | 正解数 |
|---|---|---|---|
| 5肢択一 | 基礎法学 | 2 | 0 |
| 憲法 | 5 | 4 | |
| 行政法 | 19 | 8 | |
| 民法 | 9 | 2 | |
| 商法 | 5 | 1 | |
| 合計 | 40 | 15 | |
| 多肢選択 | 憲法 | 4 | 4 |
| 行政法 | 8 | 3 | |
| 基礎知識 | — | 14 | 5 |
5肢択一は40問中15問です。同じ40問・160点満点で、10月に受けた辰已の模試では23問でした。8問の差があります。
どちらが実力かは決められません。模試は作った会社が違えば別の試験です。ただ、15問と23問の間を動いているということは分かります。本試験で必要なのは、記述を0点と置くなら32問です。
行政事件訴訟法の4問は、全部落としていた
行政法19問を、中の分野で割り直すとこうなります。
| 分野 | 出題数 | 正解数 |
|---|---|---|
| 行政手続法 | 3 | 2 |
| 行政不服審査法 | 2 | 2 |
| 一般的法理論(行政行為・裁量・強制執行・行政機関) | 4 | 1 |
| 行政事件訴訟法 | 4 | 0 |
| 国家賠償・損失補償 | 2 | 1 |
| 地方自治法 | 3 | 1 |
| 行政契約 | 1 | 1 |
条文を読めば答えが決まる科目は取れています。行政手続法3問中2問、行政不服審査法は2問とも正解でした。
落ちているのは訴訟と判例です。審査請求と取消訴訟の比較、原告適格、差止訴訟・義務付け訴訟、仮の救済。行政事件訴訟法の4問は1問も取れていません。国家賠償の判例も落としています。
行政法は配点76点で最大の科目ですが、中が割れていて、割れ方に向きがあります。「行政法が弱い」で済ませると、条文科目まで一緒にやり直すことになります。
記述式3問は、どれも20点中6点以下だった
「行政法0点・民法12点」の中身です。
| 問 | 科目 | 出題項目 | 配点 | 得点 |
|---|---|---|---|---|
| 44 | 行政法 | 行政不服審査法 裁決 | 20 | 0 |
| 45 | 民法 | 無権代理 | 20 | 6 |
| 46 | 民法 | 危険負担等 | 20 | 6 |
3問とも20点満点で、いちばん良くて6点です。民法12点は「1問書けた」ではなく、2問で6点ずつ積み上げた形でした。
行政法の0点は、択一のほうで行政不服審査法を2問とも正解しているのと食い違います。選べるが、書けない。記述の不足は知識ではなく、40字にまとめる手順のほうだと分かります。
基礎知識で落としたのは、文章理解ではなかった
足切りまであと1問(4点)だった基礎知識14問の中身です。
| 分野 | 出題数 | 正解数 |
|---|---|---|
| 一般知識 | 6 | 2 |
| 諸法令(行政書士法・戸籍法) | 2 | 0 |
| 情報通信・個人情報保護 | 3 | 1 |
| 文章理解 | 3 | 2 |
| 合計 | 14 | 5 |
文章理解は3問中2問取れていました。落としたのは短文挿入1問(正答率81.2%)だけです。
辰已の模試では文章理解を3問とも落としています。どちらも同じ「4」で出していて、正答の並びが違っただけです。
足りなかったのは、諸法令2問(行政書士法の罰則・戸籍法)と一般知識4問です。諸法令は範囲が決まっていて、行政書士法は条文数も多くありません。2問とも落としているのは、やっていないからです。
文章理解3問は、読まずに「4」で出しています。この回は正答が4・4・2だったので2問当たりました。辰已の回は5・3・1で0問でした。同じ出し方で、8点になる回と0点になる回があります。
それでも解き方は変えません。本試験の2回目・3回目は、基礎知識をまったく勉強せずに足切りを通過しています(44点・48点)。基礎知識は24点取れば足りる科目なので、ここに時間を戻すより法令に使うほうが点になる、という判断です。
科目別(偏差値の低い順)
| 科目 | 得点 | 配点 | 平均 | 順位 | 偏差値 |
|---|---|---|---|---|---|
| 基礎法学 | 0 | 8 | 6.1 | 1,907 | 24.1 |
| 民法 | 8 | 36 | 21.4 | 1,897 | 30.3 |
| 記述 行政法 | 0 | 20 | 7.6 | 1,733 | 34.8 |
| 基礎知識 | 20 | 56 | 29.6 | 1,670 | 38.5 |
| 行政法 | 32 | 76 | 42.4 | 1,489 | 41.9 |
| 記述 民法 | 12 | 40 | 17.7 | 1,323 | 43.8 |
| 多肢 行政法 | 6 | 16 | 7.9 | 1,208 | 44.1 |
| 商法 | 4 | 20 | 6.9 | 1,023 | 44.1 |
| 憲法 | 16 | 20 | 13.9 | 368 | 54.7 |
| 多肢 憲法 | 8 | 8 | 6.7 | 1 | 57.1 |
基礎法学は0点で偏差値24.1ですが、配点が8点しかありません。ゼロから満点にしても8点です。ここは後回しでよい、という判断は変えません。
問題は民法です。9問中2問、配点36点のうち8点。偏差値30.3で、2,001人中1,897位です。
取れたのは取得時効と親権の2問だけでした。落としたのは未成年者・共有・権利質・債務不履行・弁済・委任契約・事務管理の7問です。
債権の分野がまとめて落ちています。うち債務不履行(正答率67.1%)・委任契約(64.3%)・事務管理(60.8%)の3問は、全体の6割以上が正解していた問題でした。
今後の計画に影響が出た
令和10年までの計画で、司法書士を第一優先にすると書きました。根拠は「民法・憲法・商法が重なるから」で、とくに民法はどちらでも大きな柱だからです。
その民法が、いま最も弱い科目の1つでした。
| 重なる科目のうち | 憲法 → 偏差値54.7・A判定 |
|---|---|
| 商法 → 偏差値44.1 | |
| 民法 → 偏差値30.3 |
重なるから有利、という前提が半分崩れています。民法を立て直さないと、司法書士に持ち越せるものが憲法だけになります。
計画そのものを変えるかどうかは、11月8日の本試験の結果を見てから決めます。いま書き換えると、模試1回で動いたことになります。
本試験まで
この記事を書いている時点で、本試験まで41日です。
やることは、この成績表から3つに絞れました。
- 取りこぼし5問・18点を拾う。知らない論点ではないので、いちばん安い
- 基礎知識の足切りを超える。あと4点。ただし解き方は変えず、諸法令と一般知識で拾う
- 記述式は、自己採点をやめる。自分でつけた点は当てにならないと分かった
民法と行政法の立て直しは、41日では間に合わないかもしれません。それでも、上の3つは間に合います。
この記事について
- 数値はすべて伊藤塾の個人成績表・総合成績表に記載されたものです。推計は含みません。
- 参加者数2,001人・平均点160.2点は総合成績表の記載です。最高点は成績表に記載がありません。
- 合格基準(総合180点・法令等122点・基礎知識24点)は行政書士試験研究センターの公表値です。
- この模試の母集団は本試験の受験者とは違います。ここでの偏差値を本試験の位置として使うことはできません。