行政書士試験には足切りが2つあります。総得点180点を超えていても、どちらか1つを割れば不合格です。
そして法令等の足切りは、成績表を見ただけでは出てきません。自分で足し算をする必要があります。それを知らずに4回中3回割っていた、という記録です。
3つの基準
| 基準 | 満点 | 必要な点 | 割合 |
|---|---|---|---|
| 総得点 | 300点 | 180点以上 | 60.0% |
| 法令等 | 244点 | 122点以上 | 50.0% |
| 基礎知識 | 56点 | 24点以上 | 42.9% |
3つすべてを満たす必要があります。どれか1つでも下回れば、ほかが何点でも不合格です。
法令等の足切りが見えにくい理由
法令等244点は、3つの形式の合計です。
| 形式 | 配点 | 法令等に占める割合 |
|---|---|---|
| 択一式 | 160点 | 65.6% |
| 多肢選択式 | 24点 | 9.8% |
| 記述式 | 60点 | 24.6% |
成績表には形式ごとの点が並びます。「法令等 ◯◯点」という1つの数字として出てこないことがあるので、3つを足さないと分かりません。
基礎知識は56点が独立しているので見落としません。見落とすのは法令等のほうです。
自分は4回中3回、法令等の足切りを割っていた
内訳が残っている4回を計算し直した結果です。
| 回 | 択一 | 多肢 | 記述 | 法令等 | 基礎知識 | 総合 | 割った基準 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 大原2023 中間 | 104 | 10 | 8 | 122 | 28 | 150 | 総合のみ |
| 令和5年度 本試験 | 84 | 8 | 16 | 108 | 44 | 152 | 総合・法令等−14 |
| 大原2024 第2回 | 84 | 10 | 20 | 114 | 16 | 130 | 3つ全部 |
| 令和6年度 本試験 | 104 | 8 | 8 | 120 | 48 | 168 | 総合・法令等−2 |
通過したのは大原2023の122点ちょうど、1回だけです。
令和6年度は「あと12点」ではなかった
令和6年度は総合168点でした。長いあいだ「合格ラインまであと12点」と捉えていました。
実際には法令等が120点で、122点に2点足りていません。総合を12点上げて180に乗せても、法令等が122に届かなければ不合格です。
見るべき数字が2つあったのに、1つしか見ていませんでした。
なぜ3年も気づかなかったのか
総合点だけを時系列で並べて見ていたからです。
150 → 152 → 130 → 168。この並びだけを見ていると、話は「あと何点で180か」になります。足切りは別の軸なので、同じ表に入れない限り視界に入りません。
基準が3つある試験では、3列作って毎回埋めるしかありません。総合・法令等・基礎知識です。1列でも欠けると、満たしていないものが見えなくなります。
基礎知識の足切りは、模試によって様相が変わる
基礎知識24点は、模試の種類によって難度がまったく違います。手元にある2026年度のLEC模試3回の成績表を並べると、シリーズが違うだけで、足切りを割る人の割合が数倍変わっていました。
いちばん易しい回では科目平均が30点台で、割る人はごく一部です。いちばん難しい回では科目平均そのものが24点を下回っていて、相当数が割ります。
つまり「足切りを割った」という事実だけでは、何も判断できません。平均が24点を下回る回で割るのと、ほとんど誰も割らない回で割るのとでは、意味が正反対です。後者なら本物の警告です。
足切りを割らないための見方
- 模試のたびに3列を埋める。総合・法令等・基礎知識
- 法令等は択一+多肢+記述を自分で足す
- 基礎知識が割れたら、その模試で何%が割っていたかを見る
- 総合が足りていても、法令等が122に届いているかを必ず確認する
基礎知識は56点満点で、文章理解が3問あります。自分はこの3問を読まずに「4」で提出しています。基礎知識14問を1問2分程度で片づけ、浮いた時間を法令に回すためです。
本試験の2回目・3回目は、基礎知識をまったく勉強せずに足切りを通過しました(44点・48点)。24点取れば足りる科目なので、ここに時間を使うより法令へ回すほうが点になる、という判断です。
代わりに、文章理解の12点は当たり外れになります。伊藤塾の第1回は正答が4・4・2で2問当たり、辰已の完全模試は5・3・1で0問でした。この振れ幅を込みで24点を超える形にしておくのが、自分の場合の足切り対策です。
いまの対策
2026年10月15日からは、記述式を0点と置いて、残り240点で180点を目標にしています。
択一160+多肢24+基礎知識56=240点です。ここで180点取れば、記述が0点でも総合180点に乗り、法令等も自動的に122を大きく超えます。
詳しい計算はこちらに書いています。
まとめ
- 足切りは法令等122点(244点中)と基礎知識24点(56点中)の2つ
- 総得点180点を超えていても、どちらか1つを割れば不合格
- 法令等は択一+多肢+記述の合計。自分で足さないと出てこない
- 自分は4回中3回、法令等の足切りを割っていた
- 令和6年度は総合168点で、法令等は−2点だった
- 基礎知識の足切りは模試で様相が変わる。6%しか割らない回で割ったら本物の警告
- 模試のたびに総合・法令等・基礎知識の3列を埋める
出典
- 合格基準は一般財団法人 行政書士試験研究センターの公表による
- 得点はすべて筆者本人の受験・成績表・自己採点の実績
- 足切りを割った割合は、公表されている得点分布から筆者が算出した